春はあけぼの きみはすべて

きみのものだから愛おしい

夢を叶えて、必ずここに戻ってこよう

行きたくて行きたくてどうしても行けなかった舞台の円盤が出た。

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私が優斗くんに興味を持ったのはサマステ2016の限りなく終盤に近い公演で、チケットの全てを消化してから家に帰って聴き漁ったラジオでずるずると虜になった。だからドリボはそもそも申し込んでいなかったし、見たいと思ったときにはもはや交換できそうな手持ちは一枚もなかった。というかあの頃はまだ手持ちで交換してやりくりみたいなことも考えていなかったと思う。余ってたサマステは友達に譲った記憶があるし。まあとにかくドリボには行けなかった。定価での出回りはほぼ皆無だったので。元担*1を見に博多行ったりなんだりして楽しかったけれど、やっぱりドリボに入れなかったことがずっと悔しくて悔しくて後悔現場ナンバーワンだった。後悔も何もまあチケットが手に入らなかったのだから仕方ないけれど。何を悔いてもどうにもならなかったわけだけど。

円盤が出ると分かってめちゃくちゃ嬉しかったし、届くのが楽しみすぎて何度もポストを覗いて、すぐに再生した。ちょうど私がジャニアイに入った次の日で、大好きな帝劇が我が家にやってきたことにまず感動した。

幕が開くと、優斗くんの台詞から始まった。

「夢を叶えて、必ずここに戻ってこよう」

帝国劇場のど真ん中、優斗くんの台詞で始まるドリボはなんかもう本当にすごくて感極まったしていうかなんで私これ入れてないんだろう死にたい!でも円盤出たから!見れたからセーフ!!!やったーー!!!!と開幕早々情緒不安定。

一年前の優斗くんはHiHi Jetsになったと思えばJohnny's 5というユニットになり、Johnny's 5は劇中ではなぜかJET BOYSを名乗り、しかし幕間には日生でHiHi Jetとして出演していてとにかくめちゃくちゃだった。

ユニットがあまりにも流動しまくるものだから、「あれ、僕なんだったっけ……」と優斗くんがラジオでぽつりと呟いた言葉が今でも印象に残っている。何に属しているのか自分でもよく分かっていない優斗くんはローラースケートもひとりだけめちゃくちゃ初心者で、当時はそれでグループから孤立していたという話もあった。

映像の中にいる優斗くんは本当に一生懸命頑張っているけれど、やっぱり拙いところはたくさんあって、技術集団HiHi Jetさんの中では少し浮いているなあとも感じた。それでも腐ることなく一生懸命食らいつく優斗くんがかっこよくて、映像の中に私が好きになった頃の優斗くんがいて嬉しかった。

瑞稀に毛布を奪われて若干風邪引いてたこととか、血を見てえずく演技をしようとして癖が強すぎて止められたこととか、らじらーでは安井くんが少し間に合わないから最初の数分をひとりで繋いでいたこととか、急遽発表された日生との掛け持ち出演とか、気付けば固定メンバーになっていた今の4人のこととか、いろんな当時の記憶が駆け巡ると同時に公演の細かい記憶を持たないことに少し寂しくなったりもした。

劇中では、JET BOYSは色々な問題を残しながらも勢いよくデビューし、そしてその問題の全てが解決されることはないまま、唐突に出番が終了する。彼らのその後は分からないし、カテコで名前が呼ばれることもなかった。

 

それから一年が経って、彼らはHiH Jetとして帝国劇場のステージにいる。夢はまだ叶っていないけれど、またここに戻ってきた。

優斗くんは夢を語る舞台のど真ん中で、自身の夢を語った。

今がとっても楽しい。だけど日本がいつまで平和かなんて誰にも分からない。だから自分の出来ることを全力でする。HiHi Jetとしていつかみんなに認めてもらえるスターになる。

一年前の優斗くんは、たぶん楽しくなかったんじゃないかなと思う。出来ないローラースケートを履かされて、頑張ろうと思っていたダンスも中途半端になってしまって、休みもなく、グループにも上手く馴染めなくて、ファンからもあまり受け入れてもらえていなくて。楽しいか楽しくないかなんてこちらの憶測でしかないしそんなのは本人にしか分からないことだけど、少なくともこの頃のHiHi Jetの雰囲気も優斗くん自身の振る舞いもあまり良くなかったということは後のインタビューでなんとなく察することが出来る。

だけどそんな優斗くんが、一年経って、また同じ場所で、「今がとっても楽しい!」と言い切ってくれたことがめちゃくちゃ尊くて幸せだなあと思ったし、優斗くんの夢にHiHi Jetが存在していることもめちゃくちゃ嬉しかった。大がかりな演出なんか存在しない素朴なシーンだけれど、穏やかで真っ直ぐな笑顔で、客席全体に語り掛けてくれるあのシーンは本当に平和の象徴のようで大好きだった。楽しい今がずっとずっと続いてほしいのだということに一点の曇りもなく、ただ幸せなだけの夢が、悲劇が続くあの舞台の中で癒しになっていて、とっても素敵でした。

一年前と同じ帝国劇場のど真ん中で、満ち足りた表情で、夢に一歩ずつ近づいていく優斗くんが見られて良かった。

いつか夢を叶えて、またここに戻ってきてね。

*1:優斗くん以前は担当制度を取り入れていなかったのでいちばん好きな人という扱いだったけれど便宜上元担と呼ぶ